我が家の長男猫のレンが、ベランダづたいに大脱走をやってのけた話は、以前に書いた。
あれ以来、どんなに気候のよい時期であろうと、ベランダの窓や網戸を開放すること相成らず! という家訓が成立したわけだが、唯一の例外として、私が、洗濯物の取り込みなどでベランダに出ている時限定で、レンをベランダに出してやることは、時々あった。マルはもちろん、タカヤもまだいなかった頃の話だ。
もちろん、レンが妙な動きをしないよう、横目で見張りながらの作業だったことは、言うまでもない。
レンは、その性格と同様、動きもどこか「おっとり」とした猫だったので、私が一緒にベランダにいる限りは、以前のような脱走の恐れは、ほとんどなかった。
ただし、レンから絶対に目を離さないでおくこと、という条件つきである。目を離したが最後、何をするか判らないのが猫なのだ。このあたり、猫との付き合いは、目が離せないという点において、乳幼児の子育てと、ちょっと似ている、ような気もする。子育て経験がまったくないので、エラそうなことはいえないが。
私が洗濯物を取り込んでいる時、レンはたいてい、ベランダの真ん中でお座りして、たまに鼻をヒクヒクさせるだけのお行儀のよさだったが、ある日、そのお座りポーズをちょっと崩した、かと思うと、上半身をググッと低くし、斜め上方を見上げながら、何かを狙うしぐさを見せた。
レンの目線の先には、ベランダの手すり。
いかん! 手すりの上に飛び乗ろうとしてる………!
「レン君! ダメっっっ!」
問答無用で、私は怒鳴った。
半ば飛び乗り体勢に入っていたレンは、私の声に驚いて、即座に行動を中断。
叱られる、と思ったのだろう、クルリと方向転換して、開いていたベランダの窓めがけ、一直線に突っ走った。部屋のほうへ逃げ込もうと思ったわけで、そのあたりの判断は、間違ってはいない。
そう、間違ってはいなかったのだが………。
確かに、ベランダの窓は、開いていた。私が見張っているから、という条件つきで、レンをベランダに出していたのだから、開いてて当たり前だった。
ただし、窓は開いていたが、虫が入ると困るからという理由で、母が、網戸だけ閉めていたのだ。私はもちろん、レンも、そのことを知らなかった。というか、私から叱られまいと、焦って部屋のほうへ逃げ込もうとしたので、その時の光の加減もあって、網戸の存在に気がつかなかったのだ。
結果、レンは、激突した。
私の見ている前で、顔面から、網戸に。
当時、私はまだ、デジカメを持っていなかったので、その決定的瞬間を写せなかったのが、返す返すも、悔やまれる。と思わないでもないのだが、よく考えたら、そんな偶発的な瞬間、たとえデジカメを持っていたとしても、まず、写せなかっただろう。
ただ、閉まっていた網戸に思いっきり顔から突っ込んで、後ろに吹っ飛ばされるようにしりもちをついたレンの、その瞬間の表情ぐらいは、しっかり残せていたかもしれない。
ベランダにいた私も、部屋の中にいた両親も、あまりといえばあまりな出来事に、一瞬、絶句。
絶句のあとで大爆笑、となったわけだが、当事者のレンにしてみれば、
「笑いごとじゃ~ないよっっっ!」
と、怒りたかったにちがいない。
何しろ、思いきり一直線に、網戸に顔面から突っ込んだのだ。勢いのままに鼻をこすって、かなり痛かったにちがいない。まぁ、閉まっていたのが網戸だったのは不幸中の幸いで、もしも窓のほうが閉まっていたら、さらに痛い思いをしていただろうが。
あれから、10年以上が過ぎた。
写真にも画像データにも、残すことはできなかったが、あの時、あの瞬間、網戸に顔から突っ込んで吹っ飛ばされ、ペタンとしりもちをついた時のレンの、
「痛いよぉ~~~! どうなってんだよぉ~~~!」
と言いたげな顔を、私は、忘れることはない。
とにかく、ドンくさい猫だったから、今ごろ、空の向こうでも似たようなドジをやらかして、まわりの爆笑を買っているのではないか、と思うと、ちょっと気が気ではないけれど。
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あれ以来、どんなに気候のよい時期であろうと、ベランダの窓や網戸を開放すること相成らず! という家訓が成立したわけだが、唯一の例外として、私が、洗濯物の取り込みなどでベランダに出ている時限定で、レンをベランダに出してやることは、時々あった。マルはもちろん、タカヤもまだいなかった頃の話だ。
もちろん、レンが妙な動きをしないよう、横目で見張りながらの作業だったことは、言うまでもない。
レンは、その性格と同様、動きもどこか「おっとり」とした猫だったので、私が一緒にベランダにいる限りは、以前のような脱走の恐れは、ほとんどなかった。
ただし、レンから絶対に目を離さないでおくこと、という条件つきである。目を離したが最後、何をするか判らないのが猫なのだ。このあたり、猫との付き合いは、目が離せないという点において、乳幼児の子育てと、ちょっと似ている、ような気もする。子育て経験がまったくないので、エラそうなことはいえないが。
私が洗濯物を取り込んでいる時、レンはたいてい、ベランダの真ん中でお座りして、たまに鼻をヒクヒクさせるだけのお行儀のよさだったが、ある日、そのお座りポーズをちょっと崩した、かと思うと、上半身をググッと低くし、斜め上方を見上げながら、何かを狙うしぐさを見せた。
レンの目線の先には、ベランダの手すり。
いかん! 手すりの上に飛び乗ろうとしてる………!
「レン君! ダメっっっ!」
問答無用で、私は怒鳴った。
半ば飛び乗り体勢に入っていたレンは、私の声に驚いて、即座に行動を中断。
叱られる、と思ったのだろう、クルリと方向転換して、開いていたベランダの窓めがけ、一直線に突っ走った。部屋のほうへ逃げ込もうと思ったわけで、そのあたりの判断は、間違ってはいない。
そう、間違ってはいなかったのだが………。
確かに、ベランダの窓は、開いていた。私が見張っているから、という条件つきで、レンをベランダに出していたのだから、開いてて当たり前だった。
ただし、窓は開いていたが、虫が入ると困るからという理由で、母が、網戸だけ閉めていたのだ。私はもちろん、レンも、そのことを知らなかった。というか、私から叱られまいと、焦って部屋のほうへ逃げ込もうとしたので、その時の光の加減もあって、網戸の存在に気がつかなかったのだ。
結果、レンは、激突した。
私の見ている前で、顔面から、網戸に。
当時、私はまだ、デジカメを持っていなかったので、その決定的瞬間を写せなかったのが、返す返すも、悔やまれる。と思わないでもないのだが、よく考えたら、そんな偶発的な瞬間、たとえデジカメを持っていたとしても、まず、写せなかっただろう。
ただ、閉まっていた網戸に思いっきり顔から突っ込んで、後ろに吹っ飛ばされるようにしりもちをついたレンの、その瞬間の表情ぐらいは、しっかり残せていたかもしれない。
ベランダにいた私も、部屋の中にいた両親も、あまりといえばあまりな出来事に、一瞬、絶句。
絶句のあとで大爆笑、となったわけだが、当事者のレンにしてみれば、
「笑いごとじゃ~ないよっっっ!」
と、怒りたかったにちがいない。
何しろ、思いきり一直線に、網戸に顔面から突っ込んだのだ。勢いのままに鼻をこすって、かなり痛かったにちがいない。まぁ、閉まっていたのが網戸だったのは不幸中の幸いで、もしも窓のほうが閉まっていたら、さらに痛い思いをしていただろうが。
あれから、10年以上が過ぎた。
写真にも画像データにも、残すことはできなかったが、あの時、あの瞬間、網戸に顔から突っ込んで吹っ飛ばされ、ペタンとしりもちをついた時のレンの、
「痛いよぉ~~~! どうなってんだよぉ~~~!」
と言いたげな顔を、私は、忘れることはない。
とにかく、ドンくさい猫だったから、今ごろ、空の向こうでも似たようなドジをやらかして、まわりの爆笑を買っているのではないか、と思うと、ちょっと気が気ではないけれど。
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