世間には時々、「この人、時の流れから取り残されて生きてきたのか?」と思いたくなる人が、いる。
そりゃ、私が子どもの頃には、太平洋戦争が終わったことも日本が負けたことも知らぬまま、終戦から十数年、ジャングルの奥地で隠れて暮らし続けていた元日本兵のヨコイなんとかさんや、オノダなんとかさんという人が、いらっしゃったが。
その人たちのような特殊な環境に置かれていたわけでもなく、日本で暮らして時を重ね、昭和は過ぎ去り、世は平成の真っただ中にあるというのに、頭の中が昭和どころか明治、大正、いやそれ以前の仕様になっている人というのは、今も、確実に存在するのである。
私の昔の勤務先だった某印刷会社では、社長のひとり息子も社員のひとりとして働いていたが。
この息子(私と同い年)、結婚の気配はおろか、付き合っている女性の影すら見えず、休日は部屋にこもってパソコンをいじるのが趣味という、「孤独を愛する理系男子」。
母親、つまり社長夫人のほうは、「結婚するもしないも、本人の勝手」と開き直っていたようなのだが、そんな社長夫人のところへ、ある日、田舎の親戚の女性から電話がかかってきた。
言い忘れていたが、社長も社長夫人も、出身は〇〇地方(誤解を招くと困るので、敢えて地名は伏させていただく)の某・奥地である。
以下、その時の社長夫人と親戚の女性との会話を要約すると……
「ところで、T君(社長の息子のこと)は、まだ結婚せんの?」
「う~ん、今のところ、まだひとりやなぁ」
「付き合ってる子とか、おらんの?」
「おらんみたいやねぇ」
「のんきなこと言っとらんと、お見合いでもさせたら?」
「釣書見せたら、逃げていくねん」
「そんなことじゃ、そのうち、親族会議でも開かんとな~」
「何をオーバーな。それに、結婚は本人の意志次第やし……」
「ちょっと! 親がそんなこと言うてて、どうすんの!」
「は、はぁ……」
「結婚して子孫を残すんは、家の長男の義務やでっっっ!」
念のためお断りしておくが、上の会話が展開されたのは、昭和の御代もとっくに終わり、平成に入ってから4~5年は過ぎた頃のことである。
おいおい、子孫を残す、って………
家の長男の義務、って………
いったい何事っ?
戦国時代の大名家かっっっ?
これが、先祖代々続く旧家の家柄だ、とか、もとをたどれば由緒ある華族の家柄だ、とかいうのなら、まだわかるが。そんなモノとは縁もゆかりもない、ごくごくフツーの家なんである。
それが、子孫を残すだの、結婚は長男の義務だの、って………。
息子よりも母親のほうが、あきれて絶句して、しばらく口を閉じられなかったようだ。
聞いた私たちも、仰天して、口が開いたままになった。
戦前ならば、まだ、いざ知らず。今の時代に、そこまで率直に表現するか? いくら相手が身内だからって、もう少しオブラートに包んだ言い方をするのが、せめてもの礼儀ってもんでしょうが!
「その人の頭の中って………」
「未だ、戦国時代か江戸時代のままなんやろねぇ」
「まさか、タイムスリップしてきた過去の人、とか?」
「………アンタ、テレビの見すぎや」
少なくとも、自分の身内に、そこまで極端な人はいないことを感謝すべきであろうな、と、当時も今も未婚の私は、しみじみと思わずにはいられない。
その会社を辞めて十数年がたつが、社長の息子の結婚問題、その後、どうなったのであろうか。他人事ながら、ちょっとばかり気がかりである………。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
新作できました♪ ハンドメイドマーケット「tetote」に出品中♪

作品名:【送料無料】作品29 釣りする猫ちゃんのミニトートバッグ
クリエイター:ねこぎんちゃく
作品価格:1,610円
作品の詳細をもっと見る
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
ハンドメイドマーケット「tetote」でのクリエイター名は、「ねこぎんちゃく」と申します。
猫と巾着、猫の腰ぎんちゃく、などと考えていたら、こんな名前になりました♪
クリックすると、ワタシのクリエイターページへジャンプします。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
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あしからず、ご了承くださいませ。
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私の昔の勤務先だった某印刷会社では、社長のひとり息子も社員のひとりとして働いていたが。
この息子(私と同い年)、結婚の気配はおろか、付き合っている女性の影すら見えず、休日は部屋にこもってパソコンをいじるのが趣味という、「孤独を愛する理系男子」。
母親、つまり社長夫人のほうは、「結婚するもしないも、本人の勝手」と開き直っていたようなのだが、そんな社長夫人のところへ、ある日、田舎の親戚の女性から電話がかかってきた。
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念のためお断りしておくが、上の会話が展開されたのは、昭和の御代もとっくに終わり、平成に入ってから4~5年は過ぎた頃のことである。
おいおい、子孫を残す、って………
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いったい何事っ?
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これが、先祖代々続く旧家の家柄だ、とか、もとをたどれば由緒ある華族の家柄だ、とかいうのなら、まだわかるが。そんなモノとは縁もゆかりもない、ごくごくフツーの家なんである。
それが、子孫を残すだの、結婚は長男の義務だの、って………。
息子よりも母親のほうが、あきれて絶句して、しばらく口を閉じられなかったようだ。
聞いた私たちも、仰天して、口が開いたままになった。
戦前ならば、まだ、いざ知らず。今の時代に、そこまで率直に表現するか? いくら相手が身内だからって、もう少しオブラートに包んだ言い方をするのが、せめてもの礼儀ってもんでしょうが!
「その人の頭の中って………」
「未だ、戦国時代か江戸時代のままなんやろねぇ」
「まさか、タイムスリップしてきた過去の人、とか?」
「………アンタ、テレビの見すぎや」
少なくとも、自分の身内に、そこまで極端な人はいないことを感謝すべきであろうな、と、当時も今も未婚の私は、しみじみと思わずにはいられない。
その会社を辞めて十数年がたつが、社長の息子の結婚問題、その後、どうなったのであろうか。他人事ながら、ちょっとばかり気がかりである………。
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クリエイター:ねこぎんちゃく
作品価格:1,610円
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