脚本家の向田邦子さんは、テレビの連続ドラマの脚本ですき焼きのシーンを書くたび、ドラマのスタッフがここぞとばかりに高級な霜降り肉を用意するのに閉口し、とうとう、脚本の中に注意書きを記した。
「肉の値段は、グラム〇〇〇円まで!」
………いくら、すき焼きがご馳走だからって、庶民が、高級な霜降り肉なんか、そうそう食べられるわけがないんですからっ!という意味の注意喚起であったわけだが、どんなにリアリズムを追求したくとも、そこはフィクションの世界。すき焼きの肉はともかくとして、それ以外ではどうにもならないこともある。
例えば、父親と息子が盛大なつかみ合いの親子ゲンカをした結果、障子は破れ襖は倒れ、ちゃぶ台がひっくり返ってその上の食器が畳の上に散乱、というハチャメチャな場面が出てきたとして、昔のドラマではたいていの場合、次のシーンに移った時は、破れたはずの障子も襖も、きちんと元通りになっていたものだ(今はどうだろう?)。
「あれだけメチャメチャになったら、掃除や修理だけで大変でしょうに、なんですぐに元通りなのよ」
と、向田さんに文句を言うご友人もいたらしい。
言いたいことは判らないでもないが、そんなテレビドラマ上の「お約束」に文句を言われたって、向田邦子さんも困っただろう。
どうも、フィクションの世界を見ながら、ついつい現実感丸出しの余計な心配をしてしまう人というのは多いらしく(特に女性に)、それはうちの母も例外ではなかった。
何しろ、あのパニック映画の金字塔「タワーリングインフェルノ」のラストを見ながら、
「あ~あ、後の訴訟や賠償金問題が大変だよ」
などと、言ってのけたことがある人なんである。
確かに、あれだけの火災が現実に起こったとしたら、そういうことになるけれど。
フィクションと現実を、一緒にしないでください。映画の感動が雲散霧消するでしょっ!
もっとも、私も人のことは言えない。
何年か前、山下智久君主演の連続ドラマで、主な登場人物はといえば、その山下君を長兄とする4人の兄弟姉妹(今の時代に兄弟姉妹が4人ってのもスゴイが)、というのがあったんだけど(タイトル思い出せない)。
その4人の中の妹2人(立場的には姉と妹)が、大ゲンカ。姉が、食べていたインスタントラーメンを妹の顔面に思いきりぶちまけ、あとはもう、つかみあう姉妹ふたりと、止めに入る兄弟ふたりの大乱闘、というシーンがあった。ちなみに、乱闘のさなかに家の壁から、兄弟姉妹の父親の遺影が落下してきて騒ぎが鎮まる、という「お約束」付きでもあったのだが。
あたり一面、飛び散ったラーメンの汁まみれ。
ああいうシーンは、そうそう何回もリハーサルができないから、撮影したスタッフも役者も大変だっただろうが、見ていた私はといえば、
「あ~あ、畳も座布団もラーメンまみれ。全員で掃除するにしたって、あとが大変だよ。ラーメンの汁の匂いは残るし、シミになるだろうし、座布団は買い替えたほうが早いかもねぇ………」
などと、母に負けず劣らず現実感丸出しのことを考えていたのだ。
嗚呼、この母にしてこの娘。
片付けも掃除も、手慣れたテレビスタッフの仕事なんだから、大変も何もなかろうに(畳なんかは、丸ごと取り替えりゃ~済む話)。
ちなみに、ラーメンをぶちまけた姉の役は………前田敦子であったと思う(多分)。
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「肉の値段は、グラム〇〇〇円まで!」
………いくら、すき焼きがご馳走だからって、庶民が、高級な霜降り肉なんか、そうそう食べられるわけがないんですからっ!という意味の注意喚起であったわけだが、どんなにリアリズムを追求したくとも、そこはフィクションの世界。すき焼きの肉はともかくとして、それ以外ではどうにもならないこともある。
例えば、父親と息子が盛大なつかみ合いの親子ゲンカをした結果、障子は破れ襖は倒れ、ちゃぶ台がひっくり返ってその上の食器が畳の上に散乱、というハチャメチャな場面が出てきたとして、昔のドラマではたいていの場合、次のシーンに移った時は、破れたはずの障子も襖も、きちんと元通りになっていたものだ(今はどうだろう?)。
「あれだけメチャメチャになったら、掃除や修理だけで大変でしょうに、なんですぐに元通りなのよ」
と、向田さんに文句を言うご友人もいたらしい。
言いたいことは判らないでもないが、そんなテレビドラマ上の「お約束」に文句を言われたって、向田邦子さんも困っただろう。
どうも、フィクションの世界を見ながら、ついつい現実感丸出しの余計な心配をしてしまう人というのは多いらしく(特に女性に)、それはうちの母も例外ではなかった。
何しろ、あのパニック映画の金字塔「タワーリングインフェルノ」のラストを見ながら、
「あ~あ、後の訴訟や賠償金問題が大変だよ」
などと、言ってのけたことがある人なんである。
確かに、あれだけの火災が現実に起こったとしたら、そういうことになるけれど。
フィクションと現実を、一緒にしないでください。映画の感動が雲散霧消するでしょっ!
もっとも、私も人のことは言えない。
何年か前、山下智久君主演の連続ドラマで、主な登場人物はといえば、その山下君を長兄とする4人の兄弟姉妹(今の時代に兄弟姉妹が4人ってのもスゴイが)、というのがあったんだけど(タイトル思い出せない)。
その4人の中の妹2人(立場的には姉と妹)が、大ゲンカ。姉が、食べていたインスタントラーメンを妹の顔面に思いきりぶちまけ、あとはもう、つかみあう姉妹ふたりと、止めに入る兄弟ふたりの大乱闘、というシーンがあった。ちなみに、乱闘のさなかに家の壁から、兄弟姉妹の父親の遺影が落下してきて騒ぎが鎮まる、という「お約束」付きでもあったのだが。
あたり一面、飛び散ったラーメンの汁まみれ。
ああいうシーンは、そうそう何回もリハーサルができないから、撮影したスタッフも役者も大変だっただろうが、見ていた私はといえば、
「あ~あ、畳も座布団もラーメンまみれ。全員で掃除するにしたって、あとが大変だよ。ラーメンの汁の匂いは残るし、シミになるだろうし、座布団は買い替えたほうが早いかもねぇ………」
などと、母に負けず劣らず現実感丸出しのことを考えていたのだ。
嗚呼、この母にしてこの娘。
片付けも掃除も、手慣れたテレビスタッフの仕事なんだから、大変も何もなかろうに(畳なんかは、丸ごと取り替えりゃ~済む話)。
ちなみに、ラーメンをぶちまけた姉の役は………前田敦子であったと思う(多分)。
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映画の撮影のお手伝い・・消え物(食べ物)などのお手伝い
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