三浦しをんさんの「愛なき世界」が本になり、ついに電子書籍になった。
新聞に連載されていた時から大好きで、電子書籍になったら絶対に買う、と決めていた一冊だ。
読むと判るが、イヤなヤツや悪いヤツが登場しないので、読んでて安心。
若い頃はともかく、今の歳になると、イヤなヤツや悪いヤツが出まくりの小説は、読んでて疲れ果ててしまうんである。そういうのは、テレビのミステリードラマだけで充分だ。
さて。小説の舞台は某大学(多分、東大)の理学部研究室。そこで「植物学」をひたむきに研究する教授や院生たちが主人公である。
大学の研究室のメンバーというと、先日ノーベル賞をおとりになった何とか先生も含めて、筋金入りの「研究バカ」揃いと相場は決まっているが、ただ、研究内容はといえば、必ずしもノーベル賞や、あるいは特許に結びつくものばかりとは限らない。植物学もそのひとつで、ただただひたすらに植物が好き、いや、好きすぎるぐらいでなければできない研究だ。
だからこそ、というか、さもありなん、というか。
そこは、「ちょっと(いや、かなり)変な人」の宝庫というか巣窟である。
いつも黒いスーツばかり着ていて、一見すると殺し屋か死神みたいなのに、整理整頓の能力に著しく欠けていて、毎日かまくらみたいな書類と本の山に埋もれている教授。
ただひたすらにイモを愛し、愛するタロイモが枯れてしまったと天を仰いで嘆くイモ好き教授。
サボテンへの愛が激しすぎて、共用の温室をサボテンだらけにしてしまう院生。
モデル植物のシロイヌナズナを愛するあまり、恋愛も結婚も眼中にない院生。
実験に集中しすぎて、火災報知器の音にも気づかない助教授……。
事実は小説よりも奇なり。
書くに当たって、三浦しをんさんは相当の専門書を読みまくり、取材も重ねたらしいのだが。小説に負けず劣らずの「変な人」が、その過程で大量に発掘されたのであろうことは、想像に固くない。
でも、その「変な人」たちは、同時に、愛すべき人たちでもあったのだろう。
だからこそ書かれた一冊だといえる。
本好きなかた、ぜひとも、ご一読を。
新聞に連載されていた時から大好きで、電子書籍になったら絶対に買う、と決めていた一冊だ。
読むと判るが、イヤなヤツや悪いヤツが登場しないので、読んでて安心。
若い頃はともかく、今の歳になると、イヤなヤツや悪いヤツが出まくりの小説は、読んでて疲れ果ててしまうんである。そういうのは、テレビのミステリードラマだけで充分だ。
さて。小説の舞台は某大学(多分、東大)の理学部研究室。そこで「植物学」をひたむきに研究する教授や院生たちが主人公である。
大学の研究室のメンバーというと、先日ノーベル賞をおとりになった何とか先生も含めて、筋金入りの「研究バカ」揃いと相場は決まっているが、ただ、研究内容はといえば、必ずしもノーベル賞や、あるいは特許に結びつくものばかりとは限らない。植物学もそのひとつで、ただただひたすらに植物が好き、いや、好きすぎるぐらいでなければできない研究だ。
だからこそ、というか、さもありなん、というか。
そこは、「ちょっと(いや、かなり)変な人」の宝庫というか巣窟である。
いつも黒いスーツばかり着ていて、一見すると殺し屋か死神みたいなのに、整理整頓の能力に著しく欠けていて、毎日かまくらみたいな書類と本の山に埋もれている教授。
ただひたすらにイモを愛し、愛するタロイモが枯れてしまったと天を仰いで嘆くイモ好き教授。
サボテンへの愛が激しすぎて、共用の温室をサボテンだらけにしてしまう院生。
モデル植物のシロイヌナズナを愛するあまり、恋愛も結婚も眼中にない院生。
実験に集中しすぎて、火災報知器の音にも気づかない助教授……。
事実は小説よりも奇なり。
書くに当たって、三浦しをんさんは相当の専門書を読みまくり、取材も重ねたらしいのだが。小説に負けず劣らずの「変な人」が、その過程で大量に発掘されたのであろうことは、想像に固くない。
でも、その「変な人」たちは、同時に、愛すべき人たちでもあったのだろう。
だからこそ書かれた一冊だといえる。
本好きなかた、ぜひとも、ご一読を。
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私も読んでみたくなりました。
本の中の変な人よりも
現実に生きてる変な人がそばに居ると
結構強烈ですけどね(^^ゞ